世界最大としてギネス記録に認定された埼玉県行田市の「田んぼアート」が見頃を迎えた。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施を見送ったため、2年ぶりのお目見えとなる。
大きさは約2万8千平方メートル。「田んぼに甦(よみがえ)るジャポニスム~浮世絵と歌舞伎~」をテーマに、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」と歌舞伎の人気役柄「梅王丸」を迫力たっぷりに表現した。
田植えは6月に行われ、例年の半数程度の500人超のボランティアらが参加した。ロープをつないで描かれた下絵に沿って県産米「彩のかがやき」など4品種を植え、緑、黒、白、赤の4色の模様を描いた。
最も色鮮やかな状態で楽しむことができるのはお盆のころまで。隣接する古代蓮会館の展望室(高さ約50メートル)から全体像を眺めることができる。さいたま市浦和区から訪れた70代の女性は「とてもすばらしい。コロナ禍でも元気が出てくる」と話していた。
田んぼアートは平成20年に始まり、27年に世界最大の認定を受けた。市の担当者は「行田のお米と観光を国内外の人に知ってほしい」とアピールしている。(中村智隆)