パナ、ダスキン…五輪の舞台裏支える日本企業

自転車競技ケイリンの先導車を務めるパナソニックの電動アシスト自転車
自転車競技ケイリンの先導車を務めるパナソニックの電動アシスト自転車

国内外の選手が連日、活躍を見せる東京五輪の舞台裏を多くの日本企業が支えている。パナソニックは自転車競技の先導車として選手に優しい電動アシスト自転車を開発。選手村の食堂はダスキンが24時間態勢で清潔を保ち、国立競技場には家電ベンチャーが空間除菌脱臭機を導入するなど、各社の独自技術やノウハウが運営に生かされている。

日本発祥の競輪を参考に2000年シドニー五輪から採用された自転車競技のケイリン。レースは1周250メートルのトラックを3周助走する間に時速50キロまで上げ、残る3周で順位を競う。先導車は助走区間で選手の風よけになりながら段階的にペースを上げる役割があり、従来の大会ではオートバイが使われた。

パナソニックが1年半以上をかけ開発した電動アシスト自転車はモーターの回転数を市販車の1・4倍まで高速化しながら、低重心のフレームで直進安定性を高めた。モーターの制御技術で加速を安定させ選手が追従しやすくし、すぐ後ろを走る選手の呼吸への排ガスの影響もなくなった。

同社は先導車のフレーム設計を5日に発売した電動アシスト自転車にも採用。開発担当者は「先導車の開発は技術の磨き上げにつながった。今後の製品に生かしていきたい」とする。

新型コロナウイルス禍での開催で衛生面への配慮が欠かせない選手村のメインダイニングやフィットネスジムの清掃・除菌を担うのが、清掃サービス大手のダスキンだ。

1日中いつでも食事ができるメインダイニングでは約270人の清掃スタッフが3交代制で24時間勤務。各班で担当エリアを巡回し清掃や設備の除菌を繰り返すシステムはテーマパークなどで培った仕組みだ。

選手村ではごみの分別も行われ、スタッフは慣れない選手の案内も担当する。7人制ラグビーに出場した米代表チームの女性選手がSNSで丁寧な案内ぶりを紹介し話題を呼んだ。ダスキンの宮脇幹生・コントラクト推進室長は「清掃にとどまらず接客もこなす。清掃業ではなくサービス業だ」と胸を張る。

光触媒を塗布したフィルターで空気の清潔さを保つカルテックの空間除菌脱臭機
光触媒を塗布したフィルターで空気の清潔さを保つカルテックの空間除菌脱臭機

シャープの元社員らが創業した家電ベンチャーのカルテック(大阪市)は、本会場の国立競技場の屋内に空間除菌脱臭機を数十台導入した。表面積をけば立たせ、光触媒をより多く塗布する独自技術のフィルターを採用。空気中の菌やウイルスを効率的に酸化・分解し、除菌や脱臭をする。

国立競技場に導入した製品は天板に竹材を使うことで、木材を多用する競技場の雰囲気に合わせた。国立競技場は五輪後もさまざまなスポーツの会場として使用される。同社は「安心、安全な空間づくりに貢献したい」としている。(山本考志、田村慶子)

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