【鑑賞眼】今井美樹 35周年記念コンサート 天性の歌声によるドラマチックな夜(1/2ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

鑑賞眼

今井美樹 35周年記念コンサート 天性の歌声によるドラマチックな夜

ビルボードクラシックス 今井美樹35周年プレミアム・シンフォニックコンサート〝アンコール〟=東京都渋谷区(提供 猪瀬紀子撮影)
ビルボードクラシックス 今井美樹35周年プレミアム・シンフォニックコンサート〝アンコール〟=東京都渋谷区(提供 猪瀬紀子撮影)

女優の今井美樹が7月30日、東京都渋谷区のLINE CUBE SHIBUYAで、歌手デビュー35周年の掉尾(とうび)を飾るコンサートを開いた。バイオリンやチェロ奏者を含む20人編成の楽団を従え、昨年好評だった公演の再演だ。

新型コロナの感染拡大が続く中で迎えた夜。座席券の販売は7割ほどで止めた。また、この日は、政府が東京都への緊急事態宣言の延長などを決めたこともあり、今井は「リラックスしていただける音楽で、皆さんの曇りがちの心が晴れ渡るような時間にしたい」などと開催への思いを何度も語った。

そして、流麗な伴奏に乗って大ヒット曲「PIECE OF MY WISH」や「PRIDE」を含む19曲をしっとりと歌い上げた。

歌手としての今井の特徴であり、かつ最大の武器は、その声の美しさだということを改めて知った。どんなに練習しても、これだけは後から獲得できない。

加えて、今井には歌詞を明瞭に伝える歌唱法がある。これも強みだ。歌の数だけのドラマをその場で見せることができる。女優の才能も手伝ってのことかもしれない。

この夜も今井は、「未来は何処?」で世界の現状を憂い、しかし「Goodbye Yesterday」で希望を信じた。そして、「年下の水夫」や「半袖」などで複雑な恋を語った。

どんな世界であれ、今井の歌に一貫するのは、「強さ」だろう。歌の合間に今井は、35年を振り返って、「自分を探し続け、無駄に力んで、一人で闘いながらここまできた」と明かしたが、これなども強さを感じさせる言葉だ。

この夜の締めくくりは、「PRIDE」。昭和61年に歌手としてデビューした女優の今井が平成8年に放った大ヒット曲だが、これほど今井の資質に合致した歌もない。