信号柱倒壊 捜査線上に浮かんだまさかの〝犯人〟(1/2ページ) - 産経ニュース

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信号柱倒壊 捜査線上に浮かんだまさかの〝犯人〟

三重県鈴鹿市の交差点で2月、鉄製の歩行者用信号柱が突然倒壊した。重さ約70キロ。発生は未明で、けが人がなかったのは不幸中の幸いだった。交差点には計3本の信号柱があり、いずれも設置時期は同じだが、倒れた柱の根元付近だけ「異常にさびていた」(三重県警の担当者)。一体、何があったのか。県警が科学的なアプローチを試みたところ、浮上したのは「動物性の尿」。そう、片足を上げたイヌが電柱におしっこをかける、あの光景だ。

現場は通学路

寒さが厳しい2月18日午前0時半ごろ。同市桜島町の交差点で、歩行者用の信号柱が倒れた。

県警によると、交差点北西にあった信号柱は、高さ約6・5メートル、重さ約70キロ。付近の防犯カメラ映像に、倒壊の様子が記録されていたという。

信号部分も含めると重さは約90キロにも上る。県警交通規制課の高橋康二課長は言う。「現場は通学路。近くには駅もあり、車両の行き来もある。日中であれば何らかの(人的)被害が出ていてもおかしくない」

なぜ信号柱は倒れたのか。県警が現場を確認したところ、間もなくある現象が判明する。現場にある3本の信号柱のうち、倒れた柱の一部だけが異常なほどさびついていたのだ。柱の耐用年数は約50年だが、いずれも設置から23年しか経過していなかった。

「動物性の尿」検出

やっぱりおかしい―。県警は金属の研究機関に問い合わせるなどして、金属にさびが発生するメカニズムを調べた。海岸沿いの地域で発生する塩害や、工業地帯の酸性雨による被害の可能性も視野に検証を進めたという。

そもそも、さびの発生の仕方にも特徴があった。さびが目立ったのは柱の根元部分で、「液体がたまり、(さびが)できたような感じだった」(高橋さん)。塩害などが主な要因であれば、柱全体がさびていてもおかしくないはずだった。

県警科学捜査研究所(科捜研)が詳細を調べ、倒壊から約1カ月が過ぎた3月中旬、調査結果がまとめられた。

まず明らかになったのは、信号柱から「動物性の尿」が検出されたことだ。さびが顕著だった根元からは、同じ交差点にある別の柱に比べ、約42倍の尿素が検出されていた。

根元で腐食進行

尿に含まれる尿素や塩分が信号柱の腐食を早めた可能性が浮上した。では誰の仕業なのか。実は県警は、柱の倒壊直後から現場で定点観測を続けていた。そうすると、ある動物の存在が明らかになった。