米空対艦ミサイル導入とりやめ F15改修は継続

防衛省外観(納冨康撮影)
防衛省外観(納冨康撮影)

防衛省は5日の自民党国防部会などの合同会議で、米国から購入する予定の空対艦ミサイル「LRASM(ロラズム)」の導入を中止する方針を示した。ロラズムを搭載するためのF15戦闘機の改修費用が高騰したためで、同省は代わりとして、敵の脅威圏外から発射できる長射程の国産スタンドオフ・ミサイルをF2戦闘機に搭載する案を提示し、了承された。

F15の改修をめぐっては、部品の枯渇などが原因で費用が大幅に膨らみ、改修事業を継続するかが焦点となっていた。費用高騰の一因がロラズムの導入で、米国でもF15にロラズムを搭載した経験がなかったことから、初期投資の見積もり額が一時、当初の3倍近くに膨れ上がった。

ロラズムをやめることで、最大約2180億円と見積もった初期投資額は約1600億円に圧縮できる。また、防衛省が進めている陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾を長射程化する計画に関連し、航空機発射型(空発型)の開発に見通しが立ちつつあることから、これがロラズムの代替になると判断した。

F15はミサイル搭載能力が高く、改修すれば8発の中距離空対空ミサイルを載せられるようになる。F15の改修を断念すれば、将来は最新鋭ステルス戦闘機F35と次期戦闘機の2機種の運用となり、片方が不具合などで運用停止となった場合のリスクが高まる。こうした事情も踏まえ、F15の改修事業は継続する。

防衛省は今後、約70機のF15を改修する方針で、費用の総額は約3980億円に上る見込みだ。8月末に締め切る令和4年度予算の概算要求には金額を明示しない「事項要求」とし、米側とさらに経費削減交渉を進めた上で、12月の予算編成に必要な費用を計上する。