高野連、苦渋の無観客…出場可否は明確な判断基準を

8月9日から熱戦が繰り広げられる甲子園球場(水島啓輔撮影)
8月9日から熱戦が繰り広げられる甲子園球場(水島啓輔撮影)

熱戦が続く東京五輪が8日に閉会式を迎えると、9日からは甲子園球場(兵庫県西宮市)で全国高校野球選手権大会が始まる。昨年は新型コロナウイルスの影響で大会が中止となり、2年ぶりの開催。高校球児たちの夏が戻ってくる。

大会開催にあたって、日本高等学校野球連盟はスタンドへの入場は学校関係者に限定し、一般客への入場券販売を中止することを決めた。今春の選抜大会が1万人を上限に観客の入場を認めていただけに、より厳しい措置といえる。

原則無観客を決めた理由について、日本高野連の八田英二会長は「春に比べて出場校が多く、大会期間も長くなる。感染力が強いとされるデルタ株の脅威もある」と話し、少しでも感染リスクの拡大を抑えたい考えを示した。高野連はなるべく球児たちに観客の前でプレーさせたい意向も持っていたが、東京五輪がほぼ無観客開催となったことも影響したとみられる。世論にも配慮した苦渋の決断だったといえるだろう。

甲子園大会の出場権を懸けた地方大会でも熱戦が繰り広げられたが、野球部員らの新型コロナ感染による出場辞退も相次いだ。神奈川大会では、春の選抜大会の優勝校である東海大相模が部員17人の集団感染により、準々決勝を辞退し、石川大会でも甲子園常連校の星稜が辞退。昨年も多くの高校球児が大会中止で悔し涙を流しただけに、コロナによって甲子園への道が閉ざされた球児たちの気持ちを考えると、胸が締め付けられる思いがする。

鳥取大会では米子松蔭が学校関係者の感染判明で出場を辞退した後、一転して出場が認められる騒動もあった。鳥取県高野連が出場可否の判断について明確な基準を設けていなかったことが混乱の背景にある。

日本高野連は甲子園大会の開催にあたって、学校関係者から感染者や濃厚接触者が出た場合、集団感染が疑われるか否かを出場可否の判断とすることを示しているが、まだ曖昧な部分もある。球児たちがこれ以上、コロナに振り回されることがないよう、明確なルール作りが重要だ。(運動部 丸山和郎)

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