スーパー内転倒訴訟、けがの利用客が逆転敗訴 東京高裁

東京高裁が入る建物(今野顕撮影)
東京高裁が入る建物(今野顕撮影)

スーパーの床に落ちていた総菜の天ぷらを踏んで転倒しけがを負ったとして、利用客の男性がスーパー大手「サミット」(東京)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(平田豊裁判長)は4日、「天ぷらの放置は短時間で、店舗側の安全配慮義務違反はなかった」と認定、サミット側に約57万円の支払いを命じた1審東京地裁判決を取り消し、男性の請求を棄却した。

判決によると、男性は平成30年4月、サミットストア練馬春日町店で、レジ前の通路に落ちていたカボチャの天ぷらで足を滑らせて転倒し、膝の靱帯(じんたい)を損傷するけがを負った。

判決理由で平田裁判長は、カボチャの天ぷらは約10センチ四方の大きさで、利用客から発見しやすい状態だったと指摘。さらに事故発生前には落下物の苦情がなかったことを踏まえ、男性が事故を起こす直前に別の利用客が天ぷらを落とした可能性が高いと認めた。

また、消費者庁が発出した店舗内の転倒事故防止を呼びかける文書でも、レジ付近の落下物による危険性は言及されていないと説明。「従業員が巡回などで安全確認をする法的義務はなかった」と結論づけた。

1審判決で東京地裁は店側が安全管理を怠ったとした上で、足元の注意を怠った男性にも過失があったとし、賠償請求額約140万円のうち、約57万円の支払いを命じていた。