ソウルからヨボセヨ

平昌五輪の職員たち

日本でも似たような傾向はあるだろうが、最近の韓国の公務員たちは職場の飲み会を心底嫌がる。若手は上司の昔話を「老害」と忌み嫌うし、出席者の不適切な言動があれば告発がネット上で拡散し、管理職の責任問題にも発展する。誰も得をしないのだ。

そんな彼らが珍しく会食を繰り返したのが、3年前の平昌冬季五輪だったという。開幕の1年ほど前から各省庁の職員らが出向の形で現地入りし準備作業にあたったのだが、出身部署による「上下関係」なども影響し衝突が絶えない。異例の寒さや、観戦チケット販売、ボランティアの配置をめぐる混乱…。答えの見えない問題が山積するなか、職員らは酒の力も借りて連携を深めた。

それなのに、と職員の一人は振り返る。「いざ開幕したら数々の対策の出番はなかった。祭りの高揚感の中で細かいことは問題にならなかったんですよね」。当時、平昌で出張取材を約1カ月間続けた私自身も、現地の雰囲気が最も険しかったのは開幕直前だったことを覚えている。

新型コロナウイルス禍の東京五輪は後半戦に入り、韓国でも自国選手の活躍が連日大きく報じられる。将来、開幕前の「日本バッシング」は何だったのか、と笑って振り返ることはできるのか。大会が無事終わることを願う。(時吉達也)

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