金融庁の中島新長官、令和6年3月までにマネロン対策強化

インタビューに答える金融庁の中島淳一長官=4日、東京・霞が関の金融庁(酒巻俊介撮影)
インタビューに答える金融庁の中島淳一長官=4日、東京・霞が関の金融庁(酒巻俊介撮影)

7月就任した金融庁の中島淳一長官が4日、産経新聞のインタビューに応じ、地方銀行を中心に遅れが指摘されるマネーロンダリング(資金洗浄)対策を強化する方針を明らかにした。中島氏は「令和6年3月末までに万全の対応を行うことを各金融機関や業界に求めている」と指摘。対策強化に向け検査要員を確保するほか、日本銀行と連携して月内にも地銀や信用金庫への一斉調査に乗り出す。

犯罪資金の出所を分からなくするマネロンの対策をめぐっては、日本の対応を審査中の国際組織「金融活動作業部会」(FATF)の第4次審査の報告書が今月下旬にも公表される見通し。対策の不十分さから厳しい結果が予想されるため、国内金融機関に対応を急がせる。

また、中島氏はマネロン対策の一環として、不正が疑われる取引を判断する政府と金融業界の共同システムを来年6月までに構築する方針を強調。システム構築の金銭的負担を軽減し、対策の加速につなげる。

一方、長引く超低金利と人口減少で経営難に陥った地銀については「新型コロナウイルス禍のもとで地域経済を支える地銀は非常に重要。経営基盤強化に取り組んでほしい」と述べ、再編の加速を促した。金融庁としても7月施行の再編に踏み切る地銀を支援する資金交付制度や、地域で貸出シェアが高まっても独占禁止法を適用しない特例などを通じて後押しする構え。

また、金融庁は今年2月以降にシステムトラブルが相次いだみずほ銀行について、同行と親会社のみずほフィナンシャルグループに集中的な検査を行っており、近く業務改善命令を出す方針だ。中島氏はトラブルを完全にゼロにするのは難しいと指摘し、「被害を最小化し、業務を継続できるような体制整備」に努めてほしいとの考えを示した。

主なやり取りは次の通り。

--マネロン対策は地銀などの遅れも指摘される

「金融庁として検査要員の確保による検査監督体制の強化、リスクが高いとされる業態への優先的な監督の実施を行う。マネロン対策の効率化などで、金融機関による共同システムの実用化の検討も進める。令和6年3月末までにきちんと対応して下さいと金融機関や業界に要請している」

--地銀再編の必要性は

「新型コロナウイルス禍のもとで、地域経済を支えている地域金融機関は非常に重要だ。一方で、人口減少、低金利環境下で厳しい経営が続いている。金融庁は合併、経営統合を含む経営基盤強化の取り組みを支援するさまざまな取り組みを行っている。合併統合は個々の経営判断だが、時間軸をもち、必要な経営基盤強化策を着実に進めていくべきだ」

--みずほ銀行で相次いだシステム障害をどう見るか

「みずほについては実態解明中なので原因をみた上で、再発防止なり業務の改善につながる方針を示していく。システムリスクについて言えば、原因究明した上で再発防止に取り組むのも大事だが、一方でシステムトラブルを完全にゼロにするのは難しい。万一リスクが顕在化した場合でも被害を最小化し、迅速な復旧を行い、業務を継続できる体制を整備していく。経営層には経営に与える影響を正しく認識してもらう必要もある」(永田岳彦)

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