危ない「低山」、遭難が倍増 埼玉、コロナ禍背景に - 産経ニュース

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危ない「低山」、遭難が倍増 埼玉、コロナ禍背景に

埼玉県内で1~7月に発生した山岳遭難は42件で、前年同期の19件の約2・2倍に増えたことが4日、県警への取材で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、登山は「密」を回避できる屋外レジャーとして注目を集めており、東京都心からもアクセスしやすい埼玉県内の山に挑む人が増えている状況が背景にあるようだ。専門家は十分な準備をした上で登山に臨むよう呼び掛けている。

遭難件数は、登山中に死傷したり、道に迷って下山できなくなったりして警察に通報があったケースを集計した。

件数が増えた理由について、埼玉県山岳・スポーツクライミング協会の瀬藤武遭難対策委員長(62)は「東京都内などの人が、遠方の山を避けて日帰りで登山できる県内の山に来るようなった」と推測する。

特徴的なのは「低山」と呼ばれる標高1千メートル以下の山での遭難の多さで、42件のうち半数超の23件を占めた。

1月には、小鹿野町の四阿屋山(あずまやさん、772メートル)で男性(60)が下山中に滑落、全身を強く打って病院で死亡が確認された。小鹿野署によると、山頂から90メートル先の山道を下りている最中に滑り落ちたとみられる。

日本山岳会埼玉支部の大山光一支部長(72)は「コロナ禍で登山を始める人が増えたが、山の経験が浅い人も多い。適切な装備を身につけていなかったり知識が不足していたりして遭難に至るケースが目立つ」と指摘する。その上で「油断が事故やトラブルにつながる。事前に装備を調え、講習会などで知識を身に付けて登山に臨んでほしい」と強調した。(深津響)