IOC、選手亡命でベラルーシ五輪委から聴取へ

人道的査証を発給したポーランドに向け、成田空港から出発する東京五輪陸上女子ベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ(手前)=4日午前10時49分、成田空港
人道的査証を発給したポーランドに向け、成田空港から出発する東京五輪陸上女子ベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ(手前)=4日午前10時49分、成田空港

東京五輪陸上女子ベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ(24)がチーム側による強制帰国を拒否して亡命を求めた問題で、国際オリンピック委員会(IOC)のアダムス広報部長は4日、関与したとみられるベラルーシ・オリンピック委員会の役員2人から事情を聴くことを記者会見で明らかにした。

アダムス氏は、同委員会からツィマノウスカヤへの対応に関する報告書が提出され、事実関係の調査に着手したと説明。処分を検討する規律委員会を開催し、聴取も行うと述べた。

ポーランドから査証(ビザ)発給を受けたツィマノウスカヤは4日朝、滞在していた在日ポーランド大使館(東京都目黒区)を車で出発。成田空港から経由先とみられるウィーン行きの旅客機に搭乗し、日本を離れた。英BBC放送の取材に対し、今回の亡命は強権統治が続くベラルーシへの政治的抗議ではないと主張した。

ツィマノウスカヤは200メートルに出場予定だったが、コーチによって1600メートルリレーに出ることを一方的に決められたと会員制交流サイト(SNS)で批判。強制的に帰国させられそうになったが、1日夜に羽田空港で搭乗を拒否し、警察などに保護された。(坂本一之)

会員限定記事会員サービス詳細