「人混み怖い」 コロナ急拡大の福島・いわきなどで危機感

静まり返る繁華街の店先には時短営業を知らせる張り紙が…=福島市(芹沢伸生撮影)
静まり返る繁華街の店先には時短営業を知らせる張り紙が…=福島市(芹沢伸生撮影)

全国各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東北では福島県内での感染者数が急速に増えている。県内では今月2日に過去最多の136人の感染者を確認。特に県沿岸部のいわき市では直近の病床使用率が96%を超えるなど医療提供体制が逼迫(ひっぱく)しており、危機感が高まっている。

県内で感染拡大が顕著なのが、茨城県に隣接している人口約33万人のいわき市だ。県は4日、県内で92人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表。このうち同市内での感染確認は47人と半数以上を占めた。県内の累計感染者は計6116人となった。

同市内での直近1週間の10万人当たりの新規陽性者数は80・53人で、政府の対策分科会が示す「ステージ4」(爆発的感染拡大)の目安である25人を大きく上回っているのに加え、病床使用率も96・4%(3日現在)に達するなど医療提供体制も逼迫しており、地元では不安が広がっている。

同市に住む会社役員の男性(53)は「日本はロックダウン(都市封鎖)ができないので、耐えるしかない。(感染が)怖いので人混みには出ないようにしている」と話す。

県では感染拡大が続くいわき市に加え、福島、郡山の計3市で酒類を提供する飲食店に対し、営業時間の短縮要請などの集中対策を実施するとともに、政府に蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用を要請。対象地域はいわき市としており、重点措置が適用されれば飲食店は時短営業に加え、原則として酒類の提供ができなくなる。

JR常磐線いわき駅近くで飲食店を営む男性(60)は「お客が戻り始めたと思った矢先の急激な感染拡大だった」とした上で、「重点措置が出たら酒は出せない。ジュースで刺し身や焼き鳥は食べてもらえない。休むしかない…」と、苦しい胸中を明かした。

一方、福島市内の繁華街でも、先月31日の時短開始以降、夜のにぎわいが消えている。客待ちをしていたタクシー運転手の60代男性は「タクシーの数も普段の半分くらい。こんなに感染者が出ている状況では仕方がない。早く収束してくれないと…」とあきらめ顔だった。