中国豪雨で住民が外国記者に嫌がらせ 米政府も問題視

豪雨で冠水した中国河南省鄭州市内=7月(共同)
豪雨で冠水した中国河南省鄭州市内=7月(共同)

【北京=三塚聖平、ワシントン=黒瀬悦成】中国河南省の水害を取材した外国人記者が現場などで住民に嫌がらせを受けたとして、米政府などが中国側を非難している。当局による「ナショナリズムの扇動」が影響していると指摘される中、中国政府は「一部の西側メディアの真実でない報道が、民衆の不満と憤慨を引き起こしている」と外国メディア側に非があるとの見解を示している。

中国外国人記者クラブ(FCCC)の7月27日付の声明によると、水害で多数の死者が出た河南省鄭州市で、米国とドイツのメディアの記者が住民に取り囲まれ、カメラや服をつかまれるなどした。また、河南省の中国共産主義青年団は、中国のインターネット上で報道内容への不満が噴出している英BBC放送の記者の居場所を知らせるように、短文投稿サイト「微博」で約160万人のフォロワーに呼び掛けた。

FCCCは「中国当局によって時に直接扇動されるナショナリズム」が、海外メディアへの敵意につながっているとして「失望」を表明した。

米国務省のプライス報道官は、この問題について29日「深刻に懸念している」とする声明を発表した。中国政府が「中国の政策に批判的な報道に対し、国営メディアを通じて非難を展開し、世論の反感をあおって記者への殺害脅迫などを助長している」と批判。来年の北京冬季五輪の開催にあたり「外国の報道関係者や世界の人々を喜んで受け入れ、責任ある国家として行動するよう求める」と訴えた。

中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は30日の記者会見で、米政府の批判に「ありもしない非難で中国に圧力を加えている」と強く反発した。

河南省は今月2日、豪雨の死者が302人、行方不明者が50人になったと発表。被災者は1453万人を超えた。