TOKYO取材ノート

聖火台に集まってしまう人々

臨海部の「夢の大橋」付近に移された東京五輪の聖火 =東京都江東区(飯田英男撮影)
臨海部の「夢の大橋」付近に移された東京五輪の聖火 =東京都江東区(飯田英男撮影)

東京・お台場と有明を結ぶ「夢の大橋」(江東区)にある聖火台は、本来なら東京五輪の聖地的存在として大賑わいだったはずだ。それが、新型コロナウイルスの感染拡大で、大会組織委員会が「観覧自粛」を呼び掛けざるをえない事態になっている。

一帯の臨海副都心エリアでは7会場で13競技を実施。関連行事などで1日10万人の人出が見込まれていたが、イベントは軒並み中止になった。

聖火台は開会式と同じデザインだが、スケールは3分の1程度と小さめ。群衆対策からか柵に囲まれ、接近することはできない。遠目から見る聖火は正直、迫力に欠ける。

それでも、集まってしまう人もいる。聞いてみると「いけないとは分かってるけど、来ちゃいました」と話していた。

感染防止策というだけなら、いっそのこと撤去すれば、人が集まることは減るかもしれない。だが、それでは何か寂しい。聖火は、選手や聖火リレーをつないだ人たちの思いの象徴でもあるからだ。

大会で、日本勢は過去最多となる金メダルを獲得。近くにいた男性は「こんなときだからこそ、選手の活躍は糧になる。五輪があって良かったと聖火を見て感じた」と話していた。

近くには「聖火だあ」とはしゃぎまわる子供たちもいた。遠慮がちに記念撮影をする家族連れを見ながら、気兼ねなく過ごせる日常が一刻も早く戻ってほしいと思った。(森西勇太)

会員限定記事会員サービス詳細