浪速風

孤立に耐えられないなら、いっそ

緊急事態宣言決定の7月30日の午後7時すぎ、大阪・ミナミの道頓堀はマスク姿の人が行き交っていた(永田直也撮影)
緊急事態宣言決定の7月30日の午後7時すぎ、大阪・ミナミの道頓堀はマスク姿の人が行き交っていた(永田直也撮影)

「人間は孤立しては棲(す)めない生物でもある。(中略)群れて棲み、社会をつくって生存を保つのだが、しかし都市生活はときに個々に孤立に似た状態を強いる。それに堪えられなくなったとき、たとえ短時間でも激しく群れたがる」。司馬遼太郎さんが『人間の集団について』でそう書いていた

▶副題は「ベトナムから考える」だが、コロナ下の今をも考えさせられる。大阪など4府県が緊急事態宣言の対象に追加され、京都や兵庫には蔓延防止等重点措置が適用された。それでも皆があまり行動を変えようとしないのは、「孤」を求められることに堪えられなくなっているからだ

▶新型コロナウイルスが人間の生存を脅かすものであると同様に、社会を形成できないこともまた人間の生存に関わる事態ということだろう。ならばデルタ株というさらなる脅威に対峙するには、もう一段強い手法を求める声が出ているのも仕方ない。ロックダウン(都市封鎖)のような。