東京五輪のメインプレスセンターには世界から集まったカメラマンをサポートしようと企業がサービス拠点を構えている。
その企業とはカメラを販売するキヤノン(東京都大田区)、ニコン(東京都港区)、ソニー(同)の3社。各企業はサービス拠点でカメラマンが五輪の取材で使うカメラやレンズの点検や修理、機材の貸し出しなどを行っている。
特にキヤノンとニコンはスポーツの撮影に使われるカメラとして圧倒的な人気を誇り、世界各国のカメラマンが愛用している。東京開催だから拠点を構えたのではなく、五輪ではいつもカメラマンへのサポート体制を整えているという。
米国在住で南米のメディアに写真を送っているというカメラマンは、「キヤノンとニコンの両方を使っている」と機材を見せてくれた。「どちらとも素晴らしい性能だから、どちらのカメラの方が好きとは言えないよ」という。
競技会場の広さや撮影場所の位置によって使う望遠レンズの種類が変わるため、手持ちのレンズに適したものがない場合はサービス拠点で貸し出しサービスを利用して撮影している。
30年近くニコンを使っているというアイルランドのカメラマンも「自国のオフィスから全ての機材を運ぶのは無理だから、貸し出しサービスを利用させてもらっている」と重そうな荷物を片付けながら教えてくれた。
日本企業が市場を席巻していることに違和感がないかを聞いてみた。
「プロフェッショナルのカメラマンはみんな使っている。そんなこと全く気にしないよ。問題ない!」
性能重視の選択に、国境がないことを感じた。