「酒提供自粛」「海水浴場中止」効果に疑問の声 緊急事態発令の千葉

緊急事態宣言により、遊泳が禁止となった「いなげの浜」=2日、千葉市美浜区
緊急事態宣言により、遊泳が禁止となった「いなげの浜」=2日、千葉市美浜区

千葉県などに緊急事態宣言が発令された2日、同県内全域の飲食店で酒類提供の終日自粛が始まり、11の海水浴場も開設が中止された。宣言は31日まで。東京五輪の競技会場である幕張メッセ(千葉市美浜区)周辺の飲食店関係者は戸惑いを隠せない様子だった。遊泳禁止となった海水浴場を訪れた人からは、行政の対応に疑問の声が上がった。

2日もレスリングが実施されていた幕張メッセの周辺では、通行人の姿はほとんど見られなかった。無観客が決まる前は、五輪競技の開催による集客効果への期待もあっただけに、関係者の落胆は大きい。

会場近くの複合施設内にある「とんかつ割烹(かっぽう) 赤坂有薫」の店長、本田孝さん(67)は、「7月半ばから通る人の数がガクッと下がった。近くで五輪をやっている感じは全然しない」と話す。同じ建物内で営業する居酒屋の男性店長(52)も、「ランチの売り上げもコロナ前の6割程度」とため息をつく。

宣言により、酒類を提供する飲食店には休業要請、提供しない飲食店には午後8時までの営業時間短縮が要請された。男性店長は、「お酒の提供をやめるだけで本当に感染者数が減るのか。先行きが見えない」と困惑した表情だった。

県内では千葉市や館山市、鴨川市、御宿町で海水浴場が2年ぶりに開設されていたが、2日から中止に。千葉市は、稲毛海浜公園内「いなげの浜海水浴場」(美浜区)の遊泳を禁止したが、砂浜での日光浴や波打ち際での水遊びは引き続き可能としており、正午過ぎには、数十人が思い思いに楽しんでいた。

2人の子供と遊びに来ていた千葉市中央区の主婦(46)は「来て初めて海水浴場が閉鎖になったことを知った。隣のプールは営業しているのに海水浴を禁止にする意味がよくわからない」と戸惑っていた。家族4人で遊びに来ていた市川市の小学3年の男児は「泳げなくて残念」と悲しげ。父親の会社員男性(43)は、「遊んでもいいという波打ち際がかえって〝密〟になるのではないか」と苦笑いを浮かべた。

千葉市の担当者は、遊泳禁止の理由について「県内の他の海水浴場が閉鎖されたため、遊泳を認めると人が集まってしまう可能性がある」と説明している。(長橋和之)

会員限定記事会員サービス詳細