日本が2大会連続メダルを狙う卓球男子団体で、浮沈の鍵を握る異色のダブルスペアがベールを脱いだ。2日行われた1回戦で第1試合に登場した丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)水谷隼(木下グループ)組は世界的にも珍しい左利き同士のペア。オーストラリアのペアをストレートで破って先鞭をつけ、チームを3-0での快勝に導いた。
エース張本智和(木下グループ)をシングルス2試合に起用するための策だが、重ならずに動くのは難しく、右利きと組むのが通例だった2人にとっては大きな挑戦となった。「やはりすごく難しいなと正直思いましたね」と水谷。ともに高い技術を持つサーブ、レシーブを生かして早々と得点するパターンで実力差のある相手ペアを寄せ付けなかったが、ラリーが長引くと2人がぶつかる場面もあり、相手が慣れてきた第3ゲームは終盤まで粘られた。
ただ、男子の倉嶋監督はもたつきは想定内との考えだ。「きょうは少しラリーをして調子を上げたかった。サーブ、レシーブはおとなしめにやり、感触をつかんだ」。もっとも2人は自分たちの特長をよく理解しており、丹羽は「なるべくラリーにさせないよう、積極的な攻めをしていきたい」と次戦を見据えた。(奥村信哉)