「燃える氷」回収技術が一歩前進 新潟・上越沖で調査

1週間の調査を終えて帰港した東京海洋大学の青山千春特任准教授=新潟県上越市の直江津港中央ふ頭(本田賢一撮影)
1週間の調査を終えて帰港した東京海洋大学の青山千春特任准教授=新潟県上越市の直江津港中央ふ頭(本田賢一撮影)

--今後の予定は

「この方式によるメタンの回収実験を来年度末までに実施し、技術のおおよその完成を目指したい」

--回収したメタンの利用方法は

「個人的には、新潟県内の企業に参加してもらい、メタンを地産地消するのが良いと考えている。また、海中でメタンを水素にする試験も現在、行っている。来年ぐらいには船を使いメタンから水素をつくる実験も行いたい」

新たな知見

--佐渡島沖でも調査を実施したとか

「佐渡島北東沖の約7キロ四方の海域で、海底から海面に向かってメタンの泡が柱のように立ち上っている箇所が約200カ所確認できた。5年前に同じエリアを調査した際は37カ所で、今回の調査で増えていることが分かった」

--これもドーム式の膜で回収するのか

「メタンが立ち上っている箇所に小規模のドーム式の膜を設置し、膜内にメタンをためて回収することを想定している。これは地球温暖化対策にも貢献する可能性がある」

--どういうことか

「海面に到達したメタンは大気中に出ていく。これを放置しておくと、メタンは二酸化炭素よりも温室効果が高いため、より温暖化を進行させてしまう。温暖化対策の面からもこのメタンは回収したほうがいい」

--政府も関心を示しそうだ

「実は、佐渡島沖のこの海域は、政府がメタンハイドレートが多く賦存(理論上は存在すること)すると認識していないエリアだ。この調査結果を政府に報告し、このエリアでも回収を目指すよう提言したい」

(本田賢一)

メタンハイドレート】 天然ガスの主成分メタンが水とともに氷状になったもので、〝燃える氷〟とも呼ばれる。