新型コロナ「中等症」患者増加 第3波に匹敵、医療関係者は危機感 - 産経ニュース

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新型コロナ「中等症」患者増加 第3波に匹敵、医療関係者は危機感

新型コロナウイルス感染者が急増している東京都で、重症者には分類されないが高度な治療が必要な中等症患者が増加している。高齢者へのワクチン普及に伴い、感染者数に比べ重症者の増加は緩やかだが、その裏で多くの中等症患者が発生。感染第3波に匹敵する水準に達し、医療関係者の危機感は高まっている。

病床の逼迫(ひっぱく)により、入院が必要な患者を一時的に受け入れる「TOKYO入院待機ステーション」。平成立石病院(東京都葛飾区)内にあり、都が7月22日に設置した。酸素投与が必要な患者を1日4~5人受け入れては、入院先に回す。連日フル稼働だ。担当者は「重症一歩手前の中等症患者がほとんど」と語る。

東京都の重症者は2日時点で114人。重症病床の使用率は29%で、一見、余裕があるようにも見える。だが、平成立石病院の運営法人理事長、猪口正孝氏は「重症者の数だけで医療負荷を考えるのは十分とはいえない」と指摘する。

厚生労働省は重症未満の中等症について、ⅠとⅡに分類する。このうちⅡは呼吸不全の症状が現れて鼻から酸素投与などが必要で、「重症予備群」ともいえる。こうした状態の患者は都内に260人(7月28日時点)。感染第3波のピーク時は269人(1月20日時点)で、現時点ではすでに上回っている可能性もある。

都によると、感染者に占める高齢者の割合が減ったため、重症者そのものは第3波より少ない。半面、今回の「第5波」では若・中年層の中等症が目立ち始めたという。

「重症予備群」に加え、重症状態を脱して回復途上の患者もいる。こうしたケースには重症患者と同様の医療体制で臨むといい、医療機関の実質的な負担は変わらない。猪口氏は「医療の逼迫を避けるには、単に重症病床を拡張するだけでなく中等症も含めて医療体制をトータルで考え直すべきだ」と語る。

都は現在、約6千の病床と、宿泊療養施設約6千室を確保している。病床をさらに上積みするほか、軽症者はなるべく宿泊施設を利用してもらうなどして、中等症患者の増加に対応する方針だ。