東京五輪、6人の資格剝奪 バブル脅かす違反行為も

東京五輪・パラリンピック組織委員会は1日、新型コロナウイルス対策で選手や大会関係者の行動規範を定めた「プレーブック」に違反したなどとして、これまでに6人の大会参加資格を剝奪したと明らかにした。違反行為には、外部と遮断する「バブル方式」を脅かす事案もあり、全国的に感染が急拡大する中、ルール順守の徹底が大会後半の課題となっている。(野々山暢)

組織委によると、資格を剥奪したのは、観光目的で選手村から外出したジョージアの選手2人と、コカイン使用で逮捕された五輪スタッフ4人。他に8人が資格の効力を一時停止されており、来日した大会関係者が14日間の待機期間中に、決められた場所から出るなどの違反行為を繰り返したケースが含まれている。

感染対策の肝であるバブル方式は、徹底した検査と行動管理の両輪で成りたっている。国際オリンピック委員会(IOC)が選手村などを「パラレルワールド(別の世界)」として、大会の安全性を強調するのは検査の陽性率が低調に推移していることが大きい。

組織委によると、事前合宿を除く大会関連の陽性者は7月1日以降、計259人。うち国内在住者が156人で半数を超える。選手らは選手村内でもマスク着用が義務づけられ、毎日唾液による抗原検査が求められている。これまでに約41万件の検査が行われ、陽性率は0・02%にとどまる。

陽性者は選手村外の宿泊療養施設で隔離されており、組織委は「大会関係者の間で大規模なクラスターは起きていない」と説明。武藤敏郎事務総長は今月1日の会見で、想定内の感染状況だとの認識を示した上で「地域医療にできる限り負担をかけずに大会運営ができている」と述べた。

一方で、業務委託先のスタッフの陽性者は135人に上り、7月29日~8月1日は4日連続で10人以上の感染が確認されている。組織委関係者は「国内在住者の割合が高く、日本全体の感染者増加との結びつきが強いのではないか」と警戒を強めている。

プレーブック違反により、バブルが破られれば、バブル内にウイルスが持ち込まれ、感染が広がるリスクをはらんでいる。

組織委はIOCなどと協議した上で違反行為に制裁措置を実施しており、資格の剥奪や効力の一時停止の他に、本来は車に乗るべきなのに徒歩で移動したなどとして10人が厳重注意を受け、これとは別に4人が厳重注意を受けた上に誓約書を提出した。

制裁措置の対象かは不明だが、陽性となった大会関係者が再度検査を受けるために、車で宿泊療養施設から診療所へ行く事案も発覚。7月30日夜から31日未明にかけ、選手村内の公園で複数の大会関係者が飲酒し、通報を受けた警察官が駆け付ける騒ぎがあったことも明らかになった。

武藤事務総長は「大会成功のためには全ての関係者にルールを順守してもらうことが不可欠。引き続き理解と協力を求めていく」としている。

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