無観客のスタンドから

過酷な伝統競技、勝って注目を

日本―イタリア第4ピリオド、ペナルティースローを決められるGK棚村=東京辰巳国際水泳場
日本―イタリア第4ピリオド、ペナルティースローを決められるGK棚村=東京辰巳国際水泳場

東京五輪では史上最多の33競技339種目が実施されている。今大会から採用されたものもあれば、100年以上前から行われているものもある。前から気になっていたが、生で見た経験のない競技を取材したい-。そう思って足を運んだのが水球の会場だった。

水球は男子が1900年パリ大会から、女子は2000年シドニー大会から正式種目になった。体格の優れた欧州勢などが有利とされるが、前回リオデジャネイロ大会で34年ぶりに五輪出場を果たした男子日本代表「ポセイドンジャパン」は、着実に世界との差を縮めている。

「水中の格闘技」と呼ばれていることは知っていたが、実際に目の当たりにしたプレーの激しさ、過酷さは想像を絶していた。つかみ、引っ張り、押さえつけ…。ボールを持つ選手に対するマークやポジション取りなど、文字通りの肉弾戦がそこかしこで展開されていた。抵抗の大きい水の中だけに、消耗の度合いは想像もつかない。

水球をはじめ国内の競技人口が少ないスポーツにとって、五輪出場やメダル獲得は認知度を高めるための貴重な場だ。地元開催だからこそ会場でじかに見てもらい、魅力を感じてもらえる。そんな関係者の期待は、新型コロナウイルスに阻まれた。

今大会、ポセイドンジャパンは強豪相手に接戦を演じながらも惜敗が続き、予選リーグ突破はならなかった。ただ、ゴールキーパーの棚村克行(31)は「一般の人に水球を見てもらえるチャンス。勝って、注目されたい」と語った。

最終戦は2日の南アフリカ戦。1984年ロサンゼルス大会以来となる「五輪1勝」を祈らずにはいられない。(原川真太郎)

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