ROC、ロシア国旗連想のユニホームでメダル次々獲得

フェンシング女子サーブル団体で金メダルを獲得し、笑顔のROCチーム。中央は「個人」と合わせ2冠を達成したソフィア・ポズニアコワ=幕張メッセ
フェンシング女子サーブル団体で金メダルを獲得し、笑顔のROCチーム。中央は「個人」と合わせ2冠を達成したソフィア・ポズニアコワ=幕張メッセ

組織的なドーピング問題の処分で主要国際大会への国としての参加が禁じられ、潔白を証明したうえで「ロシア・オリンピック委員会(ROC)」所属として東京五輪に個人資格で参加しているロシアの選手団が次々とメダルを獲得している。国旗と国歌の使用が禁止される中、ユニホームなどのデザインが国旗と同じ白青赤の色使いであることから、反ドーピング機関や海外メディアからは「中立的な色を求めていた」「処分の意味がない」と批判の声もあがっている。

ROCのハタエフは1日、ボクシングの男子ライトヘビー級で銅メダルを獲得した。1日午後時点でROCの金メダルは世界5位の11個、銀と銅を合わせたメダル総数は38個に達した。

総勢330人を超えるROC選手のユニホームは国旗と同じ色使いで、表彰式で掲げられるROCのエンブレムが入った旗も同じ色使いだ。デンマーク紙ポリティケンの記者は「ユニホームを見ればロシアの選手だとすぐに分かる」と指摘。独紙記者は「これでは処分になっていない」と問題視する。

ロシアのドーピングに関する組織的な不正を認定した世界反ドーピング機関(WADA)のバンカ委員長は先月23日の記者会見で「われわれは中立的な色を求めていた。失望した」と不満をあらわにした。

一方で、出場する選手たちは表彰式に国旗がなく、国歌の代わりにロシアの国民的作曲家、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」が流れることへの悔しさをにじませる。

「チャイコフスキーの曲が流れ、変な感じがした。国歌を歌いたかった」。露イタル・タス通信によると、競泳男子100メートル背泳ぎで銀メダルを獲得したコレスニコフは、金を獲得したROCのリロフとともに表彰台に上がったときの思いをこう振り返った。

今回の東京での好成績について、露スポーツメディア「チェンピオナート」は、国としての参加が同じく認められず、好成績を残せなかった2018年の平昌冬季五輪との違いについて「ロシア色の効果」を指摘。平昌は五輪旗と五輪賛歌の下で競技し、ロシアを連想させるものは禁じられていた。しかし東京では、国旗を想起させるユニホームなどが認められ、「愛国心が発露しやすくなっている」と分析している。(坂本一之、モスクワ 小野田雄一)

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