混迷する横浜市長選 最多9人が出馬予定、再選挙も

しのぎ削る予定者

山中氏は、立民を中心とした野党勢力が推薦しているが、小此木氏の登場により、反IR票をまとめて勝つという算段に狂いが生じている。山中氏の陣営がよりどころとしている地元の実力者、藤木幸夫氏(90)が小此木氏とも非常に近い関係にあることにも気をもんでいる。

「ハマのドン」こと藤木幸夫氏(中央)は、山中竹春氏(右から2人目)を支援。右端は江田憲司氏=7月17日、横浜市(外崎晃彦撮影)
「ハマのドン」こと藤木幸夫氏(中央)は、山中竹春氏(右から2人目)を支援。右端は江田憲司氏=7月17日、横浜市(外崎晃彦撮影)

藤木氏は、中央政界に幅広い人脈を持ち、「ハマのドン」と呼ばれて地元港湾業界を率いてきた人物だ。支援候補を立民の江田憲司衆院議員に一任した経緯から、山中氏支持に回っているものの、「藤木家と小此木家は100年に及ぶ深い関係」(藤木氏に近い関係者)。小此木氏の出馬表明の裏に、藤木氏の了解があった可能性もささやかれている。

参院議員からの転身を図り出馬を表明した松沢氏は、元神奈川県知事としての知名度を生かすほか、当時の受動喫煙防止条例制定などの実績をアピールする。田中氏も作家や長野県知事としての知名度を生かしたい考え。市内に点在する米軍基地や跡地利用についての問題を投げかける。

反IRを掲げる候補同士の牽制(けんせい)も激化している。元検事で弁護士の郷原信郎氏(66)は「データに基づく行政」を目指す山中氏に矛先を向け、ギャンブル依存症増加の根拠となるデータの開示などを求めている。

水産仲卸会社役員の坪倉良和氏(70)は、山下ふ頭に中央卸売市場を移転する構想を掲げている。坪倉氏の構想に共鳴する郷原氏は、出馬会見に坪倉氏を招くなど、候補同士の〝共闘〟も見られている。

政策に共鳴し、坪倉良和氏(右)と出馬会見の場を共にした郷原信郎氏=7月16日、横浜市役所(外崎晃彦撮影)
政策に共鳴し、坪倉良和氏(右)と出馬会見の場を共にした郷原信郎氏=7月16日、横浜市役所(外崎晃彦撮影)

福田氏は、行政のデジタル化推進を掛け声に、ネットを使った情報発信に力を入れ、市議の太田正孝氏(75)は11期の議員生活で培った視点から行財政改革を訴えるなど、各候補が政策のアピールにしのぎを削っている。

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