混迷する横浜市長選 最多9人が出馬予定、再選挙も

小此木八郎氏の事務所が7月29日付のタウン誌に出した、菅義偉首相が「全面的かつ全力で応援する」と述べたと記載された意見広告(外崎晃彦撮影)
小此木八郎氏の事務所が7月29日付のタウン誌に出した、菅義偉首相が「全面的かつ全力で応援する」と述べたと記載された意見広告(外崎晃彦撮影)

8月8日告示、22日投開票の横浜市長選は現時点で過去最多の9人が出馬を予定、情勢は混迷の度合いを深めている。最大の争点はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の是非。9人のうち7人が誘致反対の論陣を張り、関係者のさまざまな思惑が交錯する中、菅義偉首相のお膝元でもある横浜市の自民党市連は候補を擁立できないまま分裂し自主投票に。反与党票も分散が予想され、再選挙の可能性もささやかれている。

〝台風の目〟は

選挙戦は、IR推進を訴え4選を目指す現職の林文子氏(75)に対し、政党などの組織力を後ろ盾とする前国家公安委員長の小此木八郎氏(56)と元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)=立憲民主推薦=が誘致反対を掲げ対抗。

さらに、元神奈川県知事の松沢成文氏(63)や元長野県知事で作家の田中康夫氏(65)らが、知名度や政治家としての経験や実績を武器に絡む構図が見え始めている。

IR誘致を望む地元経済界の支援を受け出馬を決めた現職の林文子氏=7月14日、横浜市(外崎晃彦撮影)
IR誘致を望む地元経済界の支援を受け出馬を決めた現職の林文子氏=7月14日、横浜市(外崎晃彦撮影)

現職の林氏は4年前の前回選挙と違い、自公の推薦を得られなかったものの、IR誘致を望む地元経済界の強い要請を受け、4選出馬を決めた。7月15日の出馬会見では、「市の経済を活性化できるキーは観光。IRは核となり、経済の流れをよくする。引き続き取り組んでいかないといけない」と強調した。IR誘致に賛成しているのは林氏と元衆院議員の福田峰之氏(57)の2人だけだ。

一方、〝台風の目〟となっているのが、6月末に国家公安委員長を辞して出馬を表明した小此木氏だ。党方針と正反対の「IR誘致反対」という奇策で出馬表明したことで誘致賛成、反対の両派を翻弄している。

大きな影響を受けたのが、党本部の方針に従ってIR誘致を進めてきた自民市連だ。推薦については、「これまで訴えてきた政策とまったく逆で、有権者に合わせる顔がなくなる」などとして一部の市議が猛反発。小此木氏は県連会長も務めた重鎮だが、市連執行部は「方針の矛盾について、どうしても説明がつかない」(自民関係者)ことなどから、所属議員は自主投票とする方針を決定。県連も追随した。

ただ、その後、県内の大部分の国会議員・県議・市議らが支持に回っている。小此木氏と関係の深い菅首相からも全面的に支援を受けているという。

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