東京五輪第9日の31日、柔道混合団体の決勝でフランスに敗れ、銀メダルとなった日本代表の各選手は試合後、悔しさを隠せなかった。金メダルが有力視されていながら、フランス相手にわずか1勝に終わり、「不甲斐ない」「足を引っ張った」と吐露した。
第1試合で敗れた新井千鶴(三井住友海上)は「先鋒としていい流れを作らなきゃいけなかったけど…。不甲斐ないです、本当に。なんとも言えない気持ちです」と唇をかみしめた。第2試合に出場し、一本負けを喫した向翔一郎(ALSOK)は「個人戦で思うような結果が残せなかったので、みんなのために戦いたかったが、最終的に足を引っ張って申し訳ない」と話した。
第3試合で、日本唯一の白星を挙げた素根輝(そね・あきら、パーク24)は「みんなで優勝を目指していた。2位という結果で悔しい」と言葉少な。ロンドン、リオデジャネイロと2大会連続金メダリストのテディ・リネール相手に善戦しながら敗北したウルフ・アロン(了徳寺大職)は「(リネールは)これから柔道を続けていくうえで破らないといけない壁だった。僕自身の計画通りに行かず、不甲斐ない結果に終わってしまった」。最後の第5試合で負けた芳田司(コマツ)も「しっかり準備してきたけど、自分の流れにすることができなかった」と悔やんだ。
フランスに4勝を奪われたため、出番のなかった大野将平(旭化成)は「五輪前半戦、柔道競技の応援ありがとうございました」とファンに謝意を述べ、「フランスチームは強かった。尊敬している」と称えた。その後、「男女混合団体で負けたことをしっかりと胸に刻まないといけない。キャプテンとして、チームを優勝に導けなかった責任を感じている。3年後、日本柔道チームとしてリベンジして生きるよう精進していきたい」と総括し、巻き返しを誓った。