朝晴れエッセー

生前写真・7月31日

子宮がんの手術をして、そろそろ4年近くになる。幸い初期だったこともあり、今日まで定期的な検査はしないといけないものの、無事毎日を過ごせている。

そんな私も、先日還暦を迎えることができた。終活という言葉も世間に浸透するようになったが、私も多少は意識するものの、思いついたときに断捨離をする程度だ。

そこで、以前から気になっていた生前写真を撮ってもらおうと写真館へ出向くことにした。

自分にもしものときが来たら、家族はどんな写真を選ぶだろう、きっと慌てて変なの出すかな、と思う。それならば自身が納得いくものを飾ってみんなに別れを告げたい。

インターネットで検索して、訪れたことのない町の写真館にした。こんなの非日常がいい。

さて当日、店員さんにヘアスタイルやメークを整えていただき、自前の洋服を3~4回着替えた。「これが一番自然な笑顔でいいかも」とおススメの1枚に決めた。

しかし、しかしだ。

帰宅して夫や子供に見せると、「何かいつものオカンと違うで」「選挙用のポスターか?」「インドネシアの某夫人みたいや」と…。

やっぱり私はいつもの飾らない私でいいのかな。

いや、でもこれからも人生の節目には元気記念に生前写真を更新しようと思う。笑ってくれる家族に感謝して。


河合英子(60) 堺市堺区