ボクシング・入江、気持ちで引かずに決勝へ

ボクシング女子フェザー級で決勝進出を決め、歓喜の入江聖奈=31日、両国国技館
ボクシング女子フェザー級で決勝進出を決め、歓喜の入江聖奈=31日、両国国技館

31日に行われたボクシング女子フェザー級準決勝で、入江聖奈が英国選手に判定勝ちした。

勝利を告げられると、入江はリング上で両手を突き上げ、跳びはねて喜んだ。「相手の左の威力が強くて、負けたかなと。うれしかった。期待して負けたら悲しいので、負けたと思って待っていた」。2019年世界選手権3位の難敵を僅差の判定で退け、試合前に確定させていたメダルの色は「銀」以上となった。

1ラウンドは得意の左ジャブで主導権を握り、右のカウンターも効かせて圧倒した。2ラウンドは巻き返してきた左構えの相手に手数を稼がれ、決着は最終ラウンドへ。「3ラウンド目で負けたら一生後悔する。何とか気持ちで頑張った」。止まりかけていた足を懸命に動かし、見栄えのいいカウンター狙いに徹して勝利をもぎ取った。

大一番の入場曲にはX JAPANの「紅」を選んだ。「合宿での思い出の曲。みんな一緒に、という気持ちで」。今年2月の合宿中、新型コロナウイルスの影響で五輪最終予選の中止が決まり、女子は昨年3月のアジア・オセアニア予選で切符をつかんでいた入江と並木月海(自衛隊)をのぞく選手の五輪への道が閉ざされた。

悔しさをこらえ、練習相手を務めたウエルター級の鬼頭茉衣(中京大大学院)がいつも歌っていた曲を流すことで、チームの団結を表現した。

決勝の相手は19年世界選手権を優勝したペテシオ。「パンチが強いので、もらわない意識は持ちたいが、倒すくらいの気持ちで右ストレートを打ち込みたい」。初出場、初勝利、初メダルと日本女子の歴史を切り開いてきた20歳が一気に頂点を狙う。(奥村信哉)

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