露、アフガンにらみ演習 中国、中央アジアと連携

5日、アフガニスタン駐留米軍が撤退したバグラム空軍基地で、監視をするアフガン政府軍の兵士(ゲッティ=共同)
5日、アフガニスタン駐留米軍が撤退したバグラム空軍基地で、監視をするアフガン政府軍の兵士(ゲッティ=共同)

【モスクワ=小野田雄一】イスラム原理主義勢力タリバンの攻勢で治安が悪化しているアフガニスタンをにらみ、ロシアが中国や中央アジア諸国と軍事面での連携を強化している。8月にはタジキスタンと中国で相次いで合同軍事演習を行い、アフガンからのイスラム過激派流入に備える。ロシアは中央アジアを「裏庭」とみなしており、アフガンからの軍撤収を進める米国が、この地域に代替軍事拠点を確保するのを阻止する思惑もある。

ロシア軍は14日、アフガン情勢の悪化を受け、露主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」の加盟国であるタジクに駐留する部隊が演習を始めたと発表した。

19日には、ロシア、タジク、ウズベキスタンの3カ国軍による合同演習を8月5~10日に行うことも明らかにした。3カ国軍の合同演習はアフガン国境から約20キロのタジクの演習場で行われ、計1500人超の将兵が参加する。ロシアは攻撃機スホイ25も投入し、「過激テロ集団」の侵入への対処などを訓練する。

タジクとウズベクは、アフガン撤収後の米国が新たな軍事拠点を置く有力候補国とされている。ロシアは合同軍事演習を通じて両国との関係を深めるとともに、自らが中央アジアの「盟主」であることを内外に誇示する思惑だ。

一方、ロシア軍は8月9~14日に、中国西部の寧夏回族自治区で中国軍との合同演習を行う。発表によると、演習は1万人規模になるという。

中国もまた、イスラム過激派が新疆ウイグル自治区に流入して現地の反体制派と結びつくことや、巨大経済圏構想「一帯一路」の重要地域である中央アジアが不安定化することを危惧している。中国にとっても、中央アジアへの米軍拠点の出現は望ましくない。

28日付の露有力紙「独立新聞」は、寧夏回族自治区での中露合同演習がアフガン情勢をにらんだものになると指摘。中露は、米軍撤収後のアフガンで影響力を拡大することも目指して協調している-とする専門家の見方を伝えた。

タリバンがアフガン全土を掌握する可能性を視野に、中露はタリバンとの関係強化にも動いている。ロシアは7月上旬、訪露したタリバン幹部から「タリバンはロシアの不利益になることはしない」との確約を得た。中国も最近のタリバン幹部の訪中で同趣旨の言質を得たと伝えられている。

会員限定記事会員サービス詳細