アストラ製ワクチン、公的接種も自治体は「様子見」

アストラゼネカのワクチン(同社提供)
アストラゼネカのワクチン(同社提供)

英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの接種が原則40歳以上で進められることになった。ただ、既存のワクチンより有効性は劣り、最大の効果を得るには2回目の接種までに55日以上の間隔が必要になる。ごくまれに生じる血小板の減少を伴う血栓症という副反応の懸念もあり、どの程度のニーズがあるかは不透明だ。自治体からは「住民の接種に使わない」「国から具体的な方向性が示されるまで様子を見る」という声が上がった。

「ファイザー製やモデルナ製のワクチンを打てない人、打ちたくない人の選択肢になる。当面は隙間を埋めるような使われ方をするだろう」。厚生労働省専門分科会長の脇田隆字(たかじ)・国立感染症研究所長は30日の会合後、こう述べ、接種の加速には即座につながらないとの見方を示した。

会合では委員から「選択肢が増えるのはよい」という意見が相次いだ。住民自身が副反応のリスクを理解しておく必要があるとの指摘もあった。委員の伊藤定勉(さだむ)・滋賀県豊郷町長は「ファイザー製よりリスクが高いという感じで、町民の接種に使用したいという気持ちにならない」と吐露し、「ぜひファイザー一本で行きたい」と述べた。

会合後、厚労省は自治体への説明会を実施。埼玉県の担当者は「国は具体的な進め方を追って示すという説明だった。すぐに開始できる方法を示してもらいたい」と注文をつけた。

ワクチンに詳しい専門家は「3種類の中からアストラ製を選ぶ人は少ないかもしれない」と説明。一方で、アストラ製と同じ「ウイルスベクター」というタイプで、同様に血栓症が報告されている米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチン(承認申請中)にとっては好材料といえると指摘した。J&J製は接種が1回で済むというメリットがある。