選手へのSNS中傷相次ぐ IOCも対応へ

体操男子個人総合決勝で跳馬の演技をする橋本大輝 =28日、有明体操競技場(納冨康撮影)
体操男子個人総合決勝で跳馬の演技をする橋本大輝 =28日、有明体操競技場(納冨康撮影)

熱戦が繰り広げられている東京五輪だが、選手の会員制交流サイト(SNS)には、試合内容や採点方法をめぐって国内外から誹謗(ひぼう)中傷の書き込みが相次いでいる。とくにメダルをかけた試合に関連して過熱。選手のメンタルに大きな負担となる可能性が高く、国際オリンピック委員会(IOC)も対策に乗り出した。

「見たくなくても見てしまう」

SNSで誹謗中傷が寄せられているのは、体操男子個人総合で金メダルに輝いた橋本大輝(19)の採点。体操男子日本代表の水鳥寿思監督が祝福する投稿をしたことに対しても「日本の恥」などと中傷する書き込みが相次いだ。

橋本は29日、自身のインスタグラムに「国の代表として努力してきたアスリートを認め、称賛する人が増え、誹謗中傷とみられる行為が少なくなることを願っています」と投稿した。

体操女子の村上茉愛(24)も5位に入った29日の個人総合決勝後、これまでSNSで誹謗中傷を受けたことがあると告白。「見たくなくても嫌なコメントを見てしまい、すごく残念だなと悲しかった」と語った。

中国サイト、ヤフーニュースも…

中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」では、女子水球の中国選手が、試合中に日本選手が自身の体の上で泳ぐ姿を画像ととも投稿。その後、水球ファンからは「ルール違反だ」などと審判員への批判などがSNS上で沸き起こっている。

テニスの大坂なおみ(23)に対しても27日の女子シングルス3回戦敗退後、ヤフーニュースなどに批判コメントが続出。28日には徳間書店が業務委託している編集者が、容姿などを中傷する差別的な内容をツイッターに投稿していたとして、同社は契約解除したと発表。公式サイトで謝罪した。

サーフィン男子銀メダルの五十嵐カノア(23)のインスタグラムには、ポルトガル語で「メダル泥棒」などのコメントが殺到。準決勝でブラジル選手に勝利したことに対し、採点に不満を抱いたブラジル人が投稿したとみられる。

選手村に心理カウンセラー

IOCのアダムス広報部長は、選手のメンタルケアについて、「かつてないほど重要な課題になっている」と強調する。IOCによると、選手村には心理カウンセラーらが滞在。70言語に対応する相談窓口を設置し、選手が6回まで無料のカウンセリングを受けられるようになっているという。

IOCのコベントリー選手委員長は29日の記者会見で、「必要なサポートを準備している。プロバイダーに対しても誹謗中傷への規制をお願いすることはできると思う」と述べた。(王美慧、野々山暢)