フィリピン訪問中のオースティン米国防長官は30日、ロレンザーナ国防相と会談し、マニラで記者会見する。会談では海洋進出を強める中国をにらみ、フィリピンでの米兵の法的地位を定めた「訪問軍地位協定」などについて協議。地位協定はフィリピンのドゥテルテ政権が昨年2月に破棄を一方的に通告したが、最終的な破棄決定は保留している。
オースティン氏は対中包囲網の強化を目指し、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンに対して同国内での米軍の活動を可能にする地位協定の継続を求めるとみられる。オースティン氏は4月にロレンザーナ氏と電話会談した際にも協定継続を望むと伝達していた。
オースティン氏は26日から東南アジア歴訪を開始し、シンガポールとベトナムで両国の国防相らと会談した。(共同)