関西電力が30日発表した令和3年4~6月期連結決算は売上高が前年同期比18・9%減の5688億円、最終利益は57・5%減の152億円だった。4~6月期としては2年連続の減収減益で、新電力との競争激化による販売電力量の落ち込みなどが響いた。
小売販売電力量は3・1%減の227億6900万キロワット時だった。企業向けは持ち直したが、新型コロナウイルス禍の長期化でホテルや旅館向けは低調だった。期間中に原発がどの程度稼働したかを示す原子力利用率は、大飯原発3号機(福井県おおい町)が定期検査で稼働していなかったことなどから6・8ポイント減の44・1%だった。
22年3月期は売上高が2兆5千億円、最終利益は700億円と従来予想を据え置いた。関電は運転開始から44年を超える美浜原発3号機(同県美浜町)を6月に再稼働させたが、テロ対策施設が未完成で10月に停止予定のため、収支への影響は限定的としている。
3年度から会計基準の変更があり、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の交付金などは売上高に計上されていない。関電によると基準変更を考慮しない場合、売上高は前年同期比でほぼ横ばいという。