皇室ウイークリー

(703)陛下、東京五輪の開会をご宣言 各国首脳からあいさつお受けに

フランスのマクロン大統領からあいさつを受けられる天皇陛下=23日午後、皇居・宮殿「松風の間」(宮内庁提供)
フランスのマクロン大統領からあいさつを受けられる天皇陛下=23日午後、皇居・宮殿「松風の間」(宮内庁提供)

天皇陛下は23日、国立競技場(東京都新宿区)で行われた東京五輪開会式に大会名誉総裁として臨席し、開会宣言で「私は、ここに、第三十二回近代オリンピアードを記念する、東京大会の開会を宣言します」と述べられた。

陛下は国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長とともに競技場の貴賓席に入り、入場行進する各国・地域選手団を拍手で迎えられた。

開会宣言では、貴賓席で立ち上がり、手元の紙に2度ほど視線を落としながら、最後は前を見据え、はっきりとした口調で宣言を読み上げられた。

昭和39年の前回東京五輪では、英文の五輪憲章で規定された宣言の「celebrating」が、オリンピアードを「祝い」と和訳され、昭和天皇が日本語で読み上げた。今回は世界的な新型コロナウイルスの流行下で行われる大会であることに鑑み、英文はそのままに、和訳は祝祭感を抑えた「記念する」との表現になった。大会組織委員会が政府、IOC、宮内庁などと文言の調整を進めていた。

陛下は同日、開会式に先立ち、来日した2024年パリ五輪開催国・フランスのマクロン大統領や、ジル・バイデン米大統領夫人ら11カ国の首脳級12人を皇居・宮殿に招き、あいさつを交わされた。コロナ禍で首脳らは配偶者を伴わず、皇后さまも同席されなかった。

陛下は宮殿「春秋の間」で、首脳らをお迎えに。バッハ会長、菅義偉(すが・よしひで)首相、小池百合子東京都知事、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長も陪席した。

陛下は英語で「世界各地からお集まりの皆様をここにお迎えすることをたいへん嬉しく思います」とあいさつし、「全てのアスリートが、新型コロナ感染症を防ぎ、出身国・地域とは異なるであろう暑い気候に気をつけつつ、健康な状態で最善を尽くすことができることを希望します」と述べられた。

また、コロナ禍を乗り越えるためには「国内外を問わず、私たちが、なお一層心を一つにして協力していくことが大切」とご指摘。「この大会が、わたしたちが平和と調和というオリンピズムの精神に改めて思いをいたし、その精神の灯火を未来へとリレーする大会となること」を願われた。陛下はその後、隣接する「松風の間」で首脳らからそれぞれあいさつを受けられた。

過去に自国開催された五輪では茶会や昼食会が催されたが、今回は飲食を伴わず、マスクを着用して距離をとるなど感染対策を講じて行われた。