島を歩く 日本を見る

アートににじむ光と影 犬島(岡山市)

島には、当時の暮らしを物語る立派な石垣や家の石門柱、採石業者が信仰した山神社などがある。今は緑も生い茂り、穏やかな島だ。島中に点在するアートは、何かしら島の歴史や文化をモチーフにしている。

島の人からは「瀬戸芸の作家やお客さんと交流したり、若い人たちに盆踊りの『犬島音頭』を教えたりするのが楽しくなった」との声が聞こえてくる。

近代化の光と影を学習し、どう未来につなげるか。アートを通して島の深淵(しんえん)をのぞけば、島歩きは奥深いものに変わる。

アクセス 岡山市の宝伝港から船が運航。別の島を経由するルートもある。

プロフィル 小林希 こばやし・のぞみ 昭和57年生まれ、東京都出身。元編集者。出版社を退社し、世界放浪の旅へ。帰国後に『恋する旅女、世界をゆく―29歳、会社を辞めて旅に出た』(幻冬舎文庫)で作家に転身。主に旅、島、猫をテーマにしている。これまで世界60カ国、日本の離島は100島を巡った。