競泳・萩野、メダルなくても「一番幸せな五輪」

男子200メートル個人メドレー決勝を終え引き上げる萩野公介=30日、東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)
男子200メートル個人メドレー決勝を終え引き上げる萩野公介=30日、東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)

30日に行われた競泳男子200メートル個人メドレーで、萩野公介は6位だった。

「神様がくれた贈り物」と表現した男子200メートル個人メドレー決勝で、萩野は持てる全てを出し切った。6位。五輪3大会目で初めてメダルに届かなかったが、「やりたいレースができた。僕自身、この五輪が一番幸せ」と笑った。

栄光と挫折を味わった。2016年リオデジャネイロ五輪400メートル個人メドレーで世界の頂点に立った。同年に古傷の右肘を手術してから理想の泳ぎができなくなった。平井伯昌(のりまさ)コーチに「大好きな水泳が嫌いになりつつあります」と告げ、19年春に約3カ月プールを離れた。

復帰後も思うような泳ぎはできなかった。平井コーチからは「苦しい時にチャレンジすることが大事だぞ」と励まされ、仲間も寄り添ってくれた。結果に固執し、孤独を感じていた5年前と違い、「たくさんの人が後ろにいることに気づいた。メダルより大切なものをもらった」と声を詰まらせた。集大成の東京五輪。26歳には充実感が漂った。(川峯千尋)

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