話の肖像画

デザイナー・コシノジュンコ(81)(29)私が知らない私を追い求めて

(右から)建築家の安藤忠雄氏、井上信治万博相と大阪・関西万博の意見交換の後、写真撮影に臨んだ=令和2年10月、大阪市北区 (柿平博文撮影)
(右から)建築家の安藤忠雄氏、井上信治万博相と大阪・関西万博の意見交換の後、写真撮影に臨んだ=令和2年10月、大阪市北区 (柿平博文撮影)

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《2025(令和7)年に開催が予定されている大阪・関西万博では、万博の運営について幅広く助言する「シニアアドバイザー」を務める》


今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。健康や医療産業の今後についても見据えており、くしくも今の時代にぴったりのものになったのではないでしょうか。

「デザイン」という言葉が入っているのもいいですね。食、建築、健康、テクノロジー―。あらゆるものをデザインし、表現していくことで、日本の行く末のビジョンが定まっていくのではないかと考えます。まさに万博は、未来の社会を描く絶好のチャンスなのです。

1970(昭和45)年の万博の経験は一度忘れて、まっさらななか、「新しい文化や万博を作るぞ」という姿勢も必要ですね。

かつての万博では、月の石など未知のものを見たり、携帯電話や動く歩道など、枚挙にいとまがないほど未来的な技術が披露され、なんでも新しく感じた。

でも現在を生きる人たちは、これらを普通に使いこなし、一通りのことは簡単に体験できてしまう世の中です。昔とは違って、国境のハードルも低い。コンピューターやデジタルは当たり前で、ロケットが飛んだのなんて、もはや昔話。ましてや、スマホで検索をすればある程度のことは知った気持ちになれてしまうものです。

だから、コンピューターやスマホなどが当たり前の時代でも、まだこんな新しい世界があったのか、と思うような体験ができる万博になればいいなと思っています。

また、海に囲まれた場所でやるのも初めての試みですね。新しい島に未来都市をつくる―。埋め立てられたゼロベースの島に、大胆な発想が生まれることを期待します。