一聞百見

テレビ業界からキャンパスへ タレント・越前屋俵太さん

和歌山大学で講師を務める越前屋俵太さん=和歌山市(前川純一郎撮影)
和歌山大学で講師を務める越前屋俵太さん=和歌山市(前川純一郎撮影)

関西の中高年にとっては、朝日放送(ABC)の人気テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」の初代探偵か、今も伝説の深夜番組として語り継がれる「TV(テレビ)-JACK(ジャック)」に出演していた印象が強烈かもしれない。大学在学中から番組制作に関わり、ユニークな企画を次々に発案したが、一時はテレビ業界に嫌気が差して隠遁(いんとん)生活したことも。その後は活躍の舞台を、主に和歌山大学(和歌山市)などのキャンパスに移し、「自由な発想で楽しく生きるための〝人間学〟」を学生たちと考え、模索し続けている。

一般人を巻き込んだユニークな番組作りなどで、かつてテレビ業界に新風を巻き起こした。テレビ業界に関わる原点は大谷高校(京都市)時代にさかのぼる。

友人が持っていた8ミリカメラをみて、「面白そう」とピンときた。2年生の秋の文化祭で同級生が出演する短編のコメディー映画を制作。監督、脚本、美術、テロップも担当した。

高校時代の短編映画制作がテレビ業界に身を投じるきっかけだったという=和歌山市(前川純一郎撮影)
高校時代の短編映画制作がテレビ業界に身を投じるきっかけだったという=和歌山市(前川純一郎撮影)

「流行していたコマーシャルのパロディーを盛り込んだナンセンスな内容でしたが、教室で上映すると立ち見が出て大爆笑の連続。10回も見る生徒がいたぐらい人気となりました」と振り返る。「くだらないけど、ひたすらおもろい」映像で人に影響を与えたいという思いが芽生えた。

テレビ業界との接点が生まれたのは関西大学在学中。アルバイト先で大手音楽事務所の関係者から「知り合いが大阪で番組を作る。会議に出て、若者の視点で意見を述べてほしい」と声が掛かった。会議で出された有名タレントの出演案について「すでに面白いと思われている人が面白いことをしても新味がない」と正直に答えると反感を買い、「君が自分で考えて、コーナーも担当したらええ」と持ちかけられた。