満身創痍「フクヒロ」 準々決勝敗退も「幸せ」

女子ダブルス1次リーグでインドネシアペアと対戦する福島由紀(左)、広田彩花組=武蔵野の森総合スポーツプラザ
女子ダブルス1次リーグでインドネシアペアと対戦する福島由紀(左)、広田彩花組=武蔵野の森総合スポーツプラザ

満身創痍(そうい)で臨んだ世界ランキング1位が、あえなく散った。バドミントン女子ダブルスの福島、広田組は準々決勝で強豪の中国ペアに1-2で屈した。6月に右膝を負傷した広田は回復途上。それでも2人で最後まで戦い、福島は「たくさんの応援うれしかったし、ここまでやれたっていうのもすごく大きい」と目を赤くした。

負けが決まり、試合を終えると、福島は広田に駆け寄り、「ありがとう」とねぎらった。ネット越しにあいさつするはずの中国ペアも福島、広田の元へ。「リスペクト」と声をかけられ、2人は思わず涙ぐんだ。

前回の2016年リオデジャネイロ五輪は、チームメートの応援のために現地入りし、大舞台の空気を肌で感じた。女子ダブルスで金メダルを獲得した高橋礼華、松友美佐紀組の試合はテレビで観戦。「自分もここに立ちたい」。東京五輪の金メダルを目指す大きな原動力となった。

満を持して挑むはずだった今大会。6月に広田が前十字靱帯(じんたい)を痛め、出場が危ぶまれた。広田は真っ先に「福島先輩に申し訳ない」と思ったという。だが、福島は「申し訳ないと思ってほしくない。五輪のコートに立つなら頑張ろう」と広田に伝えた。

ここまでの戦いぶりを広田は「奇跡」と表現する。大会後には手術も決まっているという右膝の爆弾を抱えて戦い抜いた。「決勝トーナメントまで進めて幸せだった」としみじみと語った。(久保まりな)

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