英空母打撃群が南シナ海入り 中国軍は演習

英空母「クイーン・エリザベス」(AP)
英空母「クイーン・エリザベス」(AP)

【北京=三塚聖平】中国メディアによると、長期航海中の英海軍最新鋭空母「クイーン・エリザベス」が29日までに南シナ海に入った。同海域の権益を主張する中国は警戒を強めており、南シナ海での軍事演習を予告するなど、にわかに緊張が高まっている。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報によると、米海軍の駆逐艦と、オランダのフリゲート艦が英空母打撃群に参加している。同紙は、英空母打撃群が南シナ海で挑発的な行為をとれば「人民解放軍は、さらに強硬な手段をとることもあり得る」という軍事専門家のコメントを紹介し、英側を牽制(けんせい)した。米軍が加わっていることについても「編隊を離脱して中国の領海に勝手に押し入るかもしれない」と警戒している。

中国海事局は27日、海南島沖の南シナ海で実弾軍事演習を29日に実施すると発表。詳細は明らかにしていないが、英側を牽制する意図があるとみられる。

英政府は3月、今後10年間の外交や安全保障などの政策を定めた「統合レビュー」を公表し、インド太平洋地域への関与強化を明記した。5月に英国を出港した「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群の派遣は、その柱として位置づけられている。

香港メディア「香港01」は、英空母打撃群の動きについて「対中挑発の意味合いが相当顕著だ」と指摘。中国側は、バイデン米政権が形成を進める「対中包囲網」の強化につながらないか警戒しているもようだ。