主張

コロナ感染急拡大 基本を見直し抑止を図れ

新型コロナウイルスの新規感染者数が急増している。

緊急事態宣言下の東京都では、28日に過去最多の3177人、27日には2848人の感染が確認された。今年初めの「第3波」のピークを超える危機的な状況だ。

神奈川、千葉、埼玉の3県や大阪府など大都市圏の感染拡大が加速し、地方に波及する傾向もみられる。

緊急事態宣言や蔓(まん)延(えん)防止等重点措置で感染を抑えられていない現状を、政府と自治体、そして国民は深刻に受け止めなければならない。これまでのコロナ対策を基本から見直す必要がある。

まず、首都圏1都3県のコロナ対策を一本化すべきだ。3県への緊急事態宣言拡大を政府に求める動きがあるが、もともと首都圏のコロナ感染は都県境を越えたひとつの塊である。

ひと塊の中に強度の違いがあれば「破れ」が発生し、濃度の違いがあれば「流れ」が生じる。

3県に緊急宣言を出すことによる直接的効果はあまり期待できないとしても、「破れ」「流れ」の原因となるコロナ対応の違いは解消しなければならない。

1都3県の意向を踏まえて首都圏のコロナ対策を決定する責務は政府にある。

軽症や無症状の感染者に関しても基本の見直しが急務だ。

東京都では6千人を超える感染者が自宅療養中で、入院や宿泊療養の感染者を大幅に上回る。自宅療養者に完璧な感染防止を求めるのは困難で、宿泊療養を抜本的に拡充しなければならない。

東京都と政府は「人流の抑制」を都民、国民に要請する一方で、市中感染の拡大につながりかねない自宅療養の解消には、まともに取り組んできたとはいえない。

お盆を控え、感染拡大の全国への波及も食い止めなければならない。そのために、蔓延防止等重点措置の対象を全道府県に拡大しておくことを提言する。

道府県内で一律に強いコロナ対策を行う必要はない。たとえば新規感染者が1桁から2桁に増えた段階で、市町村単位で迅速に対応するためである。重点措置を機動的に運用することで、地方のコロナ対策を支えたい。

今のコロナ感染拡大に対して「打つ手がない」わけではない。おろそかにしてきた基本の中に、今やるべきことはある。