量的緩和縮小へ「前進」 米FRB 年内着手も視野、本格議論へ

米首都ワシントンにある米連邦準備制度理事会(FRB)の建物=27日(共同)
米首都ワシントンにある米連邦準備制度理事会(FRB)の建物=27日(共同)

【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)は28日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、事実上のゼロ金利政策と量的緩和策の維持を決めた。会合後の声明は「(雇用最大化と物価上昇率2%の)目標に向け経済が前進した」と明記。量的緩和を縮小させる条件に近づいたとの認識を示した。年内の縮小着手も視野に検討を本格化させるとみられる。

FRBは声明で「経済と雇用の指標は引き続き力強さを増している」と指摘。緩和縮小に向けて「今後の複数の会合で経済情勢の進捗(しんちょく)を評価する」と表明した。

パウエル議長は記者会見し、2%を大きく上回った物価上昇は「一時的だ」と従来の見方を繰り返した。その上で、「雇用市場には(改善の)余地がある」と話し、現状では強力な景気支援を継続することが適切だとの認識を示した。

量的緩和の縮小時期については「未定」と述べるにとどめた。今後加速すると予想する雇用改善を見極めて判断する構えだ。

FRBは昨年3月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ゼロ金利と量的緩和策を導入した。景気回復を優先し、本格的な経済再開後も、米国債などを買い入れる量的緩和の縮小議論を封印してきたが、前回6月の会合で購入規模の縮小検討に入っていた。

FRBは国債と住宅ローン担保証券(MBS)を合わせて月1200億ドル(約13兆円)買い入れている。

一方、パウエル氏は利上げについて「視界にない」と強調。2023年内に前倒ししたゼロ金利政策の解除予想を、一段と早める可能性については否定した。