東京五輪第7日の29日、柔道男子100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺大職)が金メダルを獲得した。同階級での金メダルは、2000年シドニー五輪の井上康生(現日本男子監督)以来、5大会ぶり。
決勝は試合時間が9分半を超え、最後は大内刈りで相手を畳に仰向けにした。
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男子100キロ級決勝 韓国の趙グハム(右)に大内刈りで一本勝ちしたウルフ・アロン(左)。金メダルを獲得した=日本武道館
地元東京で頂点
ウルフは、57年ぶりに競技発祥国に帰ってきた五輪と縁深い。東京生まれ、東京育ち。6歳の時に総本山、東京・講道館のクラブで柔道を始めた。聖地の日本武道館が舞台となった地元開催を人一倍意気に感じ、金メダルをつかんだ。
猛練習で培った豊富なスタミナを武器に、千葉・東海大浦安高で一気に才能を開花させ、東海大4年の2017年に世界選手権を初出場制覇。一昨年12月に手術した右膝と向き合いながら、大会の1年延期を「自分にとっては確実に追い風」とプラスに捉え、前に進んできた。
19年には体重無差別で争う全日本選手権を制して日本一になった。五輪で頂点に立ち、日本人柔道家にとっての栄誉とされる「3冠」も達成。夢をかなえ、歴史にその名を刻んだ。