「団体で頂点」個人戦の雪辱誓う フェンシング・見延

男子エペ個人3回戦で敗れた見延和靖=25日、幕張メッセ
男子エペ個人3回戦で敗れた見延和靖=25日、幕張メッセ

頂点を目指した個人戦はほろ苦い結末に終わった。フェンシング男子エペの見延(みのべ)和靖(34)。それでも、元世界ランキング1位のエースは「まだ終わっていない」と前を向く。次の出番は30日の団体戦。自身が「史上最強のチーム」と胸を張るメンバーで、雪辱を果たす。

25日の男子エペ個人。初戦の2回戦でチェコ選手に辛勝したが、3回戦では2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストの韓国選手に完敗した。直後に自身のSNSを更新し、《この気持ちを30日の団体戦に全てぶつける》とつづった。

福井県越前市出身。小学校で空手、中学校ではバレーボールに打ち込むスポーツ少年だった。進学した県立武生(たけふ)商高でフェンシングを始め、頭角を現した。

高校での練習はハードで、午後9~10時まで続くのは当たり前。休みは盆と正月だけだったが、持ち前の忍耐力で乗り切った。

高校の1年先輩でもある福井県フェンシング協会強化部長の田端洋平さん(35)によると、「負けず嫌いで、食事も誰よりも量を食べていた」。過酷な練習を重ね、全国高校選抜大会や国体では団体で3位に入るなど結果を残した。

法政大卒業後は、強豪の韓国やフェンシングの本場である欧州を武者修行。トップクラスの技術を目の当たりにし、世界を志した。

初の五輪となったリオでは6位入賞。周囲は健闘をたたえたが、本人は不完全燃焼だった。大会後、田端さんにはこんな連絡が届いた。「人生が変わりませんでした」。メダルを取らないと意味がない-。文面からまっすぐな悔しさがにじんだ。

目標は、東京五輪で表彰台の頂点に立つこと。18~19年シーズンには、全種目を通じて日本勢で初となる年間世界ランキング1位に上り詰め、一気に東京での主役候補に躍り出た。

見延らの活躍には、日本フェンシング界の未来がかかっている。五輪2大会連続銀メダリストで、競技の普及に尽力した太田雄貴さん(35)はリオ五輪で引退。「フェンシングの知名度を上げてくれた太田さんでも達成できなかったのが金メダル。残された僕らは金を取るのが使命だ」

30日の団体戦でともに戦うのは、26日のフルーレ個人で4位入賞の敷根崇裕(しきねたかひろ)(23)と、世界ランキング4位の山田優(まさる)(27)。役者はそろった。個人種目での悔しさをバネにもう一度、五輪の頂に挑む。(小川原咲)

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