10年間で競技人口倍増 女子ラグビー29日に初戦

男子と同じメニューで練習に取り組む国学院栃木高校ラグビー部の女子部員ら=13日午後、栃木県栃木市
男子と同じメニューで練習に取り組む国学院栃木高校ラグビー部の女子部員ら=13日午後、栃木県栃木市

東京五輪の7人制ラグビー女子日本代表「サクラセブンズ」が29日、味の素スタジアム(東京都調布市)でオーストラリア代表との初戦を迎える。激しい肉弾戦が展開されるラグビーは「男子のスポーツ」のイメージが強いが、女子の競技人口も10年間で倍増している。男女でボールの大きさやルールが変わらないことから、女子を受け入れる高校ラグビー部も増えてきており、今大会を通じてさらに注目を集めそうだ。

「行くよ」「投げろ、投げろ」-。男子高校ラグビーの強豪・国学院栃木(栃木県栃木市)のグラウンドには、男女入り交じった掛け声が響く。同校ラグビー部には、男女が混在して在籍。試合になれば、男子は男子と、女子は女子と行うが、練習は合同で行うことも多い。

パスやランニングだけでなく、タックルなど身体的接触を伴うプレーも同様だ。「男子とぶつかるのは恥ずかしいなんていう女子選手はうちにはいない。彼女らのラグビーに対する覚悟はそんなものではない」。ラグビー部を率いる吉岡肇監督(59)はこう言い切る。

日本ラグビーフットボール協会によると、国内での女子ラグビーは昭和58年ごろ、複数のクラブチームが創設されたことで産声を上げたとされる。その後も主なプレーの場はクラブチームで、高校の部活動としてできるようになったのは最近のことだ。

プレーできる環境が限られる中でもラグビーを続けたい-。吉岡監督のいう「覚悟」の言葉には、女子選手たちの必死さも垣間見える。

競技を続ける環境が整ってきたことは、女子の競技人口にも如実に反映。同協会によると、今年3月時点では5123人に上り、平成24年4月の2446人から倍増した。男子の約8・7万人には遠く及ばないが、2016年リオデジャネイロ五輪で男女の7人制ラグビーが正式種目になると決まった平成21年から関心が高まってきたという。

こうした変化は選手層にも影響を与えている。リオ五輪の女子代表は他競技から転向した選手が多かったが、今大会はラグビー一筋の選手が目立つ。同協会の浅見敬子副会長(44)は「高校で続けられるようになり、子供の頃からずっと楕円(だえん)形のボールを触ってきた選手が増えた」と分析する。

男子ラグビーは長い歴史に加え、27年と令和元年のワールドカップ(W杯)での日本代表の躍進で「にわかファン」も増大した。女子も五輪に続き、来年には7人制、15人制ともにW杯が開催される。浅見副会長は「五輪はセブンズ(7人制)の大会が国内で見られる珍しい機会。映像を通じてでも多くの人に見てもらい、関心を持ってもらえれば」と話している。

(橋本昌宗)

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