200バタ銀・本多 「克己心」で日本照らす - 産経ニュース

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200バタ銀・本多 「克己心」で日本照らす

【東京五輪2020 競泳】男子200メートルバタフライ決勝 銀メダルを手に笑顔の本多灯=28日、東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)
【東京五輪2020 競泳】男子200メートルバタフライ決勝 銀メダルを手に笑顔の本多灯=28日、東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)

今大会、不振の日本競泳陣で、男子では初めてたどり着いた決勝。19歳の新鋭、本多灯(ともる)は入場時から笑顔だった。「一発、僕がぶちかまして、よい流れを作りたいと」。重圧をはねのけ、28日の男子200メートルバタフライで銀メダルを獲得。その名の通り、暗闇を照らす明かりとなった。

スタート台に立ち、頰を2、3度たたくと、勝負師の顔になった。積み重ねてきたものを、信じた。

兄の影響で、3歳から水泳を始めた。日大藤沢高(神奈川県藤沢市)3年時、世界ジュニア大会への出場権を得たが、日程がインターハイと重なり、迷った。監督の植村弘さん(40)は、「本多は世界で戦う人だよ」と、国際舞台へ背中を押した。

「克己心」を口酸っぱく伝えてきた。技術、体力は無論だが、それらを最大限引き出すためには心の整頓が必須。後押しを得て出場した世界ジュニアで、本多は自己ベストを大幅に更新し2位に輝く。

「彼は、教えを体現してくれる存在」。植村さんは目を細め、「今回の銀メダルで、日本を明るく照らすことができたのではないか」と快挙に拍手を送る。

母の聡子さん(50)は、普段は負けん気が強く見えないのに、水泳だけは負けるとぐっと歯をかみしめ、悔しがる姿を覚えている。「けなげで一生懸命。思う存分やらせてあげたいと思った」。食事面などでのサポートを惜しまない。

支えてくれた周囲の人々への思いを込めた決勝のレース。自己ベストをたたきだし、ここぞの舞台で最高の自分を披露した。

「うれしすぎて、はっちゃけていました」。レース後は、両腕で力こぶを作ってカメラに示し、喜びを爆発させた。「エンターテイナー」を自負する日本の成長株が、世界に存在感を示した。(浅上あゆみ)

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