競泳陣、負の連鎖 不慣れな夜の予選、地の利も生かせず

【東京五輪2020 競泳】男子200メートルバタフライ準決勝 準決勝を終え険しい表情の瀬戸大也=27日、東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)
【東京五輪2020 競泳】男子200メートルバタフライ準決勝 準決勝を終え険しい表情の瀬戸大也=27日、東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)

東京五輪でのメダル量産をもくろんでいた競泳ニッポンが苦境に立たされている。競技4日目の27日の決勝種目を終え、メダル獲得は女子400メートル個人メドレー金メダルの大橋悠依(25)=イトマン東進=のみ。前回1964年東京五輪では「銅」1個の惨敗に終わったが、今後の巻き返しなるか。(川峯千尋)

2016年リオデジャネイロ五輪で日本の競泳陣は金2個を含む7個のメダルを獲得した。今大会はここまで男子のエース格の不調が際立っている。

24日の400メートル個人メドレー予選で瀬戸大也(27)=TEAM DAIYA=が敗退。25日は200メートル自由形予選でメダル候補だった松元克央(24)=セントラルスポーツ=が17位に沈んだ。負の連鎖は止まらず、入江陵介(31)=イトマン東進=も26日の100メートル背泳ぎ準決勝で敗退。入江は4度目の五輪で初めて個人種目の決勝を逃し、「流れを作りたかった」と責任を口にした。

要因の一つに、日本人選手にとって不慣れな日程が挙げられる。米国のテレビ中継のゴールデンタイムに合わせ、今大会は午前に決勝、午後に予選が組み込まれた。夜から好タイムを出す海外勢に対し、日本勢は体が動きづらい翌朝のレースを意識しすぎていた。瀬戸はリオ五輪から3秒以上も上がった決勝進出ラインの目算を誤り、「最後の自由形は流していた。甘くなかった」と悔やんだ。

自国開催の〝地の利〟が裏目に出た可能性もある。通常は数週間前から現地で最終調整を行い、心身を高めていくのに対し、新型コロナウイルスの感染防止策で合同合宿の機会が減り、大会中の拠点も3カ所に分散した。チームの一体感が作り切れたとはいえず、大会前、選手からは「五輪前の実感がわかない」という声も上がっていた。

前回の東京五輪で米国の10代選手が活躍したのを機に、国内では幼少時からの選手強化が広まった。日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは「1964年以降、スイミングスクールが全国にできたように、21年以降も何かを考え直さないと」と思案顔。残り種目で挽回して、プールサイドに活気を取り戻したいところだ。

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