TOKYO取材ノート

選手を支える覚悟の言葉

無観客では、そんなに盛り上がらないのでは-。そんな予想をしていたが、五輪が開幕すると、雰囲気は一転、日本の金メダルラッシュに注目が集まり「五輪を開催できてよかった」という声も聞こえ始めた。

ただ、コロナ禍での開催に批判も根強く、SNS(会員制交流サイト)などでは「感染対策は大丈夫か」「医療崩壊が心配」といった声も少なくない。そんな不安な気持ちも当然だろう。

競技会場のひとつで、競技の医療統括責任者を務めているという医師と話す機会があった。スタッフ約30人を束ねる立場にあるというこの医師は「会場は厳重なリスク管理をしている」と説明してくれた。

例えば、選手らが練習をする際も、ひとつのエリアに入れる人数を3人までに絞ったり、発熱など感染の疑いがある場合には医務室を使わず、隔離のため別室へ選手を誘導したり。対応する医師らは防護服を着用するという。

それでも感染リスクはゼロにはならない。競技会場は、選手たちにとってはメダルをかけた勝負の場だが、医療スタッフたちにとっても「感染を広げない」という緊張感あふれる現場なのだと良く分かった。

「不安はないですか」と尋ねると、この医師は「目の前のことを一生懸命こなしている。力を尽くしたい」と話した。最前線で選手を支える覚悟の言葉。こんな人たちに五輪は支えられているんだと、あらためて感じた。(清水更沙)

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