大阪特派員

山上直子 関西産業、スポーツ隆盛支え

東京五輪2020ソフトボール予選で豪州対日本の試合前、選手紹介でナインらとエアータッチする上野由岐子選手=21日、福島県営あづま球場(納冨康撮影)
東京五輪2020ソフトボール予選で豪州対日本の試合前、選手紹介でナインらとエアータッチする上野由岐子選手=21日、福島県営あづま球場(納冨康撮影)

東京五輪が開幕した。過去に例のない大会でも、選手らの熱戦は何ら変わらないことに少しほっとする。

注目されることは少ないが、スポーツ興隆の背景には必ず産業があって、関西は長く、その集積地として発展してきた。

例えば、開会式に先立ち始まったソフトボールの日本対オーストラリア戦が注目を集めたが、そのユニホームのロゴを見ると、いずれも日本のメーカー、しかも関西の会社だ。日本チームはミズノ(大阪市)、オーストラリアはアシックス(神戸市)である。

昔からよく指摘されることだが、関西にはなぜかスポーツ関連のメーカーが多い。

「御三家」と呼ばれるのが、アシックス、ミズノ、デサント(大阪市)。ほかにも、野球用品などのエスエスケイ(同)、ゴルフクラブなどの住友ゴム工業(神戸市)、野球バットなどで知られるゼット(大阪市)、自転車のシマノ(堺市)など、枚挙にいとまがない。

その始まりとして知られるのが、明治39年、ミズノの創業者、水野利八が大阪で弟とともに「水野兄弟商会」(現ミズノ)を開いたことだ。やがて運動用品の製造に乗り出した。

「もちろん、東京にも例はありましたが、その後、関西では大阪を中心にスポーツ産業をバックアップする産業クラスターを形成しました。だから発展できたのだと思います」というのは、大阪成蹊大学の植田真司教授。

産業クラスターとは、限られた地域の中で産官学が協力・競争をしつつ、イノベーション(革新)を重ねて商品やサービスを生み出し、産業の育成と地域振興を図る状態のこと。

近年では米シリコンバレーが有名だが、はからずも明治~昭和にかけてスポーツが盛んになるにつれ、関西にあった産業がその生産を支える自然発生的な産業クラスターを作り出した。具体的には、近隣で盛んだったゴム・革の加工、綿の縫製などだ。

「神戸の長田ではゴムやケミカルのシューズ製造が盛んでした。大阪では大国町で革のシューズ製造が、八尾ではハンモックやネットが多く製造されましたし、河内木綿の生産で繊維メーカーも多かった。奈良や和歌山では革製品が有名でした」という。

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