26日に行われた東京五輪のスケートボード女子ストリートで、予選を首位で突破した中山楓奈(16)が、銅メダルを獲得した。鬼ごっこさえも板に乗ってしていたスケボー少女が「好き」を突き詰めた末の快挙だった。
スケボーを乗り回し、互いを追いかけ合う少女のグループ。その中心に中山がいた。小学3年のときに富山市中心部にスケートパークがオープンし、車で30分かかる自宅から毎日のように通った。
パークのスタッフ、老松一瑛さん(26)は「夏休みの熱い中でもあのアスファルトを滑り倒してるんだから。スケボーが超好きなんでしょう」と話す。
次第にトリック(技)を覚えると、さらに熱中した。「黙々と練習するようになり、時には技ができない悔しさで泣いているのを見たこともある」(老松さん)。
雨が降った日も、スケボーからは離れられず、パークに行く代わりに市内のスケボー用品店に通った。
店長の西野竜正さん(27)は「五輪は本当に大健闘」と喜び、「日本のスケボーの環境は厳しくて、練習する場所も多くない。これを機に地元でも盛り上がってほしい」と期待を込めた。
(永井大輔、鈴木俊輔)